日銀の追加金融緩和なんてないない....と油断は禁物
こんにちは。
本日、気になる記事を目にしました。
内容は海外のアルゴが日銀の「追加緩和」のヘッドラインに円売りで反応するように備え始めた、という趣旨のものです。
ホンマかいな? って記事でにわかに信じ難いです。
ある欧州系ヘッジファンドマネージャーって誰?
怪しい〜。
といえです。
金融市場は先行して「思惑」で動きます。
例えば去年、激しく上下動を繰り返すダウを尻目に、FRBパウエル議長は各種指標を拠り所に、「実体経済は好調で粛々と利上げを進める。」と言ってタカ派姿勢を暫く崩しませんでした。
これに金融市場が実体経済より先行して反応、米株市場が軒並み下落を始めると、市場は年末のパウエル砲よりも前に思惑で国債買いに走り、利回りは低下していきました。
上記の例は一連の流れがあるので、まだ緩やかです。
しかし市場の目がリスクオフ・円高で決まりつつある今、もしも「ヘリコプターマネー」のようなハイパーインフレを連想させるヘッドラインが流れたら....
思惑が思惑を呼び、本当にやるか分からない強力な追加緩和に反応して、大きな踏み上げ円安相場になるかもしれません。
ドル円の月足や年足が、上に向けて上昇しそうな形をしているのも、こういった「円」の信用失墜・悪い円安を織り込んでいるからなのかもしれません。
ドル円は超長期では、下よりも上の方が値幅があるとは思っています。
それでも1年くらいは大きな流れとして円高だと疑っていなかったので、目を覚まさせられた感じです。
さて、去年の下半期はドルの一人勝ちで、ドルを買っていれば良かったわけです。
本来なら、他国も追随して利上げをするべきが、その前に世界経済が失速しています。
当初の予定通りにオーストラリアや欧州が今年から利上げを出来るなら、市場は先行して動くので、今年は相対的にドルや安くなり、他の通貨が高くなっていくはずでした。
しかしどうも少しだけその思惑が狂い出しています。
米は利上げのペースダウン。そしてトランプ大統領は貿易問題を有利にする為、特に対中国元でいずれドル安にするはずですし、国境の壁建設の借金の為には金利高も望んでいないはずです。
オセアニアも比較的経済は好調の部類で、オーストラリアの中央銀行も「次の政策は利下げよりも利上げ」と言いつつ、「いつになるかは分からない」と通貨高を相変わらず牽制しています。
英国はインフレが進んでいるものの、そもそもブレグジットという不確定要素で、金融引締めに向けて舵が取れません。
ユーロはここま欧州圏一人勝ちで他を牽引してきたドイツの経済・政治の安定感が怪しくなってきており、今年秋の利上げ期待が後退しています。
日本はまだ暫く金融緩和を継続する方針です。
こうしてみると、今の為替市場は
「うちの通貨は高いよ、高いよ、他を当たってくれ。」
売る気あるの?といった状態です。
何を買えば良いのでしょう?
為替市場は必ず相対で値動きが上下するので、必ず高く評価される通貨が出てきます。
ここで王道、各国の現在の実質金利を出してみます。
実質金利とは、
名目金利(政策金利)− インフレ率
を引いたもので、簡単に言ってしまえば、この値が低いほどその国の中央銀行は利上げをして対応しないといけません。
現在のインフレ率は
https://www.globalnote.jp/post-7889.html
で確認できます。
政策金利 インフレ率 実質金利
米 2.5 2.14 0.36
豪 1.5 1.97 -0.47
日 -0.1 0.47 -0.57
英 0.75 2.65 -1.9
欧 0 2.1 -2.1
こうしてみると、米はすでにインフレに見合った政策金利で、乖離しているのはユーロですね。
ユーロは現在金利が低い上に、インフレが進んでいるので、利上げしなければならないという事です。その次が英国です。
昨日呟いたゴールドの三角保ち合い現在です。
だいぶ煮詰まってきてます。
昨日からしつこく上を試していましたが、上抜けず、今度は下トライのようです。
30分足 ゴールド(対ドル)